見落としがちな検疫の落とし穴
検疫検査とは、海外から持ち込まれた、もしくは海外へ持ち出す動物や植物、食品などが、有害な病原体や有害物質などに汚染されていないかどうかをチェックするための検査です。 特に、オーストラリアとニュージーランドは検疫検査(特に病原体を持ちこみやすい昆虫類の検査)が厳しいことで知られています。この2つの国に荷物を送るときは、検疫検査についての十分な理解が必要です。
木材の中にいる虫(白蟻類)
生木の中に虫が入っていることが多いため、木材は入念にチェックされます。木製の輸入家具であれば、その家具の足元部分を注意して見ます。 もし足元部分に「ピンホール」が発見されれば、その家具の中には虫が巣くっていると判断され、薫蒸手続きを進める必要が出てきます。薫蒸して虫を燻り出すためです。 土が付いているものはきれいに洗浄する必要があります。
オーストラリアでは検疫検査は有償であり、薫蒸処理、洗浄処理が別途必要になった場合、検疫検査料金とは別に追加料金が取られます。 また、生木を持ち込むことはできませんが、特にオーストラリアとニュージーランドへの引越しでは外装ケースに木箱梱包を使うこともできません。 他の多の国でも、木箱の使用は廃止されつつあります。
植物の中にいる虫
植物の中にいる虫すべてが駆除の対象になるため、オーストラリアとニュージーランドでは、野菜や果物など生の食材は原則持ち込めません。 また、自分で用意する梱包用の段ボール箱で、野菜や果物などが入っていた箱をリサイクルして使うことも厳禁。箱の中に入れたものはすべて洗浄対象になってしまいます。
会社によっては食品の持ち込みを手配してくれる会社もありますが、持ち込みにより追加食品検査があった場合には追加の検査費用が必要となり、 さらに、食品は新品であるため課税されます。
また、事前申告で明細リストに記載しなければなりませんが、リストがない場合には「虚偽の密輸」となり、高額なペナルティが科されます。 さらに、もし持ち込めたとしても、食品検疫検査配達を経なければならないため、配達のタイミングは1週間ほど遅れます。食品はできるだけ持ち込まないことをおすすめします。
土の中にいる虫
意外なところでは、クリスマスツリーの飾りに使う銀色のスプレーで塗られたマツボックリも検疫検査の対象になります。当人はプラスチック製だと思い込んでいたが、 実は本物のマツボックリだったということがオーストラリアで実際にありました。そのような場合には薫蒸費用として250オーストラリアドル(約24,000円)ほど、 廃棄する場合でも75オーストラリアドル(約7,000円)ほどの費用を請求されてしまいます。