価格上のトラブル
1-1 外容積と内容積
価格上のトラブルを防ぐためには、まず海外引越し料金の算出方法を理解しておく必要があります。
日系海外引越し会社の殆どは容積(立方メートル単位)計算によります。その容積とは外容積(グロス容積とも呼びます)による計算であり、内容積(ネット容積とも呼びます)とは異なります。水のような液体であれば内容積=外容積となり密度つまりデンシティー(Density)100%となっているのですが、引越し荷物の場合、いろいろな大きさのものがあり、且つ船会社は梱包されたもの一つ一つをバラバラで受け入れはしてくれないので、一つの大きな外装ケースに入れて船会社に引渡しする必要があります。つまりその箱の厚みとか底部パレット部分の高さ、そしてもちろん箱と箱の間にできる隙間部分も外容積には組み入れられることになります。
家族単位での引越しであれば殆どの場合において事前の下見をすることが必要ですが、その下見の際に必ず外容積で容積を見てもらうことが大切です。荷物内容の組み合わせによりますが、内容積×125-135%(外/内比率)が外容積になってきますので、外容積で容積把握しておくことが大切です。外/内比率はお荷物の形の組み合わせ内容によって変化があります。下見の時に内容積で見積もりしてもらい、請求の時に外容積で計算されたら、容積が少なくとも料金が25%アップしてしまうことになります。ですから下見の時に外容積で計算した容積で引越し業者から見積もってもらうことが必須条件となります。
最終の正しい外容積を知る方法は、船荷証券を引越し会社に頼んで見せてもらうことです。(船荷証券は、荷物を積んだ本船が出港した後に発行される書類ですから、引越し作業後10日ほど経過しないと入手できないのですが、、、)船荷証券を見せてくれない引越し業者が存在すると聞きますが、そのような海外引越し業者は要注意です。正しい容積による金額請求に疑問が残ってしまいますので。
1-2 下見容積と実容積
下見容積と実容積は必ずしも一致しません。殆どの人は、下見時に送る荷物内容を確定させて説明することはできないと思います。実容積が下見容積通りに落ち着く方は5割程度で、残り5割の方は下見容積と実容積に違いが発生します。価格上のトラブルは荷物が増えた場合に発生しやすいですが、荷物が減った場合でもトラブルとなることはあります。
下見容積と実容積に増減がある場合には必ず当日の作業員から、実容積の見通しを作業完了前に事前に教えてもらうことです。特に荷物が増えそうな場合には作業員の方から梱包が終わる前にその見通しを教えてもらうことです。梱包が100%完了してからでは多すぎた荷物を減らす為にはせっかく包んだ荷物を開梱しなければなりません。また、予算オーバーとなることが事前に分かれば優先順を決めながら一部の物を送らずに我慢することで荷物量を少なく調整することもできるからです。
下見容積よりも実容積が減る場合には必ず料金を下げてもらいましょう。せっかく荷物を減らしたのに料金がそれに見合うように安くなっていないのでは?という話を聞くことがあります。そのためには先に説明した船荷証券を見せてもらえるかどうかが大切です。船荷証券には必ずオフィシャル容積が記載されます。こちらは海上運賃と密接に関係があります。この船荷証券に記載の容積(立方メートル)によって海上運賃が引越し会社に請求されますから、引越し会社は小さく収めることができた場合には必ず小さい海上運賃を支払うことになりますから、この船荷証券に記載の容積が正しい最終容積ということになります。
但し荷物が減った場合には容積あたりの単価が割高になるということも合わせて知っておく必要があります。
実容積は外装梱包を組む前の段階でもご自分の目視で確認することが可能です。殆どのトラックはボックス型のトラックを使っていますので、その中に綺麗に並べて積み上げてある荷物の全体の縦横高さを計測して、こちらにパレット相当部分の15cmを高さ方向に足して容積計算(縦×横×高さ)すればおおよそ正確な外容積を知ることができます。
1-3 ミニマム取り扱い容積
引越し会社にはミニマム取り扱い容積があります。一般的には作業員がお伺いする作業込みサービスの場合には3立方メートル〜5立方メートルがミニマム取り扱い容積となっている場合が多いです。
従いましてそのミニマム取り扱い容積より荷物が少なくなっても料金は下がらなくなってしまいますので、せっかく荷物を例えば2.5立方メートルまで小さくしたのにミニマム料金3立方メートル分を取られたので、容積をそこまで小さくする必要はなかった、、とかいうことが無いように、当日作業員に効率よく送ることができる荷物量を聞きながら荷物の準備をすると良いです。
上記1?1でも説明していますが、当日作業員が荷物量の見込みを立てることはとても重要なポイントとなります。それを実現させるためには作業員の熟練度が要求されます。海外引越し会社を選ぶポイントは、現場作業員の熟練度は大切な要素なのですが、こればかりは何回も引越しするものではないので、事前に作業員の熟練度を知ることは難しいです、、ですからより良い海外引越し会社を選ぶことは難しいのです。
1-4 消費税
海外引越しは一般輸出入貿易と同じことです。一般貿易と違うことは、送り主と荷受人が共通の同じ人になることです。海外引越し一環サービスについては一般貿易品と同様非課税扱いとなりますので、日本側で消費税を支払う必要がありません。海外引越し会社は梱包資材等消費税を支払って購入しているものがたくさんありますが、こちらについては1年に1回消費税還付申請をしています。
ですからお客様に消費税を請求することがあるとすれば、それは間違いです。消費税を取る会社には注意しなければなりません。